間違えやすい慣用句やことわざ恥をかかずに正しく使うには
2018/09/23
慣用句やことわざの誤用は
本人が思い込んで使っている分、
とても恥ずかしい思いを
することになります。
特にこれから社会に出て
上司や年配の方などとも
会話をしたり
受け答えをする場面で
正しい使い方ができれば、
「デキる」と思ってもらえます。
オフィスでよく使われる言葉から、
誤用の方が使い方としては
多く使われているものなどを
取り上げてみました。
間違って使うと、あなたのためになりません
■『情けは人のためならず』
誤った解釈を信じ込んでいる人が
多いことわざで、かなりの人が
「生半可に情けをかけるのは
その人のためにならない」
という意味だと思っているようです。
「人のためならず」と終わっているので、
「その人ためを思うなら、
時には厳しくすることも大切だ」
と解釈してしまいそうですが、
本来の意味は、
情けをかけるのは
その人のためではなく、
自分のためという意味です。
そしてこの場合の「情け」は
「思いやりの心」や「親切にすること」
を指しています。
つまり、「情けは人のためならず」の
正しい解釈は、
『他人に対して思いやりの心を
持って接していれば、
それは巡り巡って
自分に返ってくるということ。
人にはいつも親切にしておきなさい。
きっとそのうち、報われますよ』
という意味です。
■『役不足』
大役などに抜擢されたとき、
謙遜の意味で
「このような大任は私のような
未熟者には役不足ですが」
用いるのは間違いです。
「役不足」というのは
そもそも俳優などが、
自分に振り当てられた役が軽すぎる
と不満を抱いたところから、
『力量や能力に対して
役が軽すぎる』という意味で
使われるものです。
有能な人があまり重要ではない
ポストについて本来の力を
発揮できない状況のときに、
それを見た第三者が、
「役不足の感がありますね」
というように使われます。
そのため、謙遜しているつもりで
「私には役不足ですが」と言えば、
「私の実力からすれば、
これは軽すぎる。
もっと重要な役目こそふさわしい」
と、逆に不満を表すことに
なってしまいます。
「私のような者には」と
へりくだるなら、
『分不相応』という言葉が適当です。
身分、地位、能力などに
ふさわしくないという意味で、
自分を卑下することで
相手の顔を立て、
事を荒立てずにすみます。
相手の感情を害さず断るには、
・「申し訳ありませんが」
・「せっかくのお心遣いは
ありがたいのですが」
・「大変心苦しいのですが」
などの
前置きがあれば丁寧です。
また、分不相応として
手軽に使っている感じがする
『敷居が高い』という表現も
間違った使い方をしている人が多く、
本来の意味は
『不義理や面目のないことがあって、
その人の家へ行きにくい』
というもので、
「レベルが高い」
「自分には合わない」
という意味ではないのです。
ですから、高級そうなお店に対し、
「あのお店は敷居が高すぎて
入るのをためらってしてしまう」
というのは間違った表現です。
「自分には合わない、難しい」を
表現したいときは、
『ハードルが高い』『レベルが高い』
『分不相応』などを
用いるといいでしょう。
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こんな受け答えをしていませんか?
■『他言は無用』
上司から内密の話だと切り出され、
最後に『他言は無用』と
念を押された場合、
同僚は内輪の人間だからと
話したりすると、
秘密が漏れたと発覚して
とがめられるようなことになります。
「他言」は一般的にはタゴンと読み、
『他人に話す』という意味で、
無用は『してはいけない』
ということで、
『他言は無用』と言われたら、
『誰にも話すな』ということなのです。
一方、多言は普通、タゲンと読み、
口数が多く、いろいろしゃべることを
指す言葉になります。
ですから、
「多言は無用」と書くのは誤りです。
■『善後策を講じる』ように
同じく、上司から言われて
間違いが多いのが、
たとえば、会社でトラブルが起こり、
上司から
「善後策を講じるように」
と命じられた場合、
「今後このようなことに
ならないための予防策と、
万が一起きてしまった場合の
対処策を考えます」
などと答えてしまうのは、
『善後策』を「前後策」と思い込んで、
前に(トラブルが起きないよう)予防策。
後に(万が一起きても)対処策。
といった見当違いな受け答えに
なってしまっているのです。
言葉の変換ミスで
「善後策」が「前後策」となっている
ケースは珍しくありませんが、
「ぜんごさく」は『善後策』であって、
今後のための対策ではありません。
何か起きた時に、
うまく後の始末をつける方法
という意味で、
「善後策を講じるように」と言われたら、
『うまく処理してくれ』と、
頼まれたことになるのです。
美しい言葉は耳に心地よい
若者中心に始まった
「出れない」「来れない」
といった『ら抜き言葉』も、
使う人が年々増えてきて
最初は顔をしかめていた人も
徐々に気にする素振りを
見せなくなり、
言葉は生きているのだと
実感させられることもあります。
しかし、やはり美しい言葉は
聞いていてほっとさせて
くれるのも、また事実です。
社会人となったら
友達同士のくだけた会話でなら
許されていたことも、
きちんとした言葉使いが
要求される場面も多くなります。
普段から注意して
「ら」を抜かない習慣を
つけておいた方が、
ふと口をついて、
恥をかかずにすむでしょう。
また、『られ敬語』という
「ら」が入った言葉があります。
「来られる」は
「来ることができる」という
可能の意味になりますが、
「○○さんが来られました」という
「来た」の『られ敬語』として
使われることもあるのです。
そういった混乱を避けるために
話し言葉では
「来られる」は「いらっしゃる」
と言った方が敬語として美しく、
「行かれる」も「いらっしゃる」
として、状況に応じて
「おいでになる」とすればいいでしょう。
また、「見られる」の場合は、
受身の同士と同じ形でもあり、
もっと紛らわしく、
「自分が見ることができた」
「誰かがご覧になった」
「誰かに見られてしまった」
と、3つの解釈が
成り立ってしまいます。
美しく、正しく、伝わりやすい
言葉遣いにするには
『られ敬語』は使わず、
他の敬語に置き換えるように
心がけましょう。
日本語を正しく、美しく使えるように
なるための手立てに
『日本語検定』があります。
文部科学省後援の『日本語検定』は、
語彙や敬語の使い方等の
総合的な日本語力を測定する検定試験です。
小学生から社会人まで幅広い層が
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それぞれに合った受検級を
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はるかに短い言葉で
表現されており、
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心にストンとおさまり
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